
若き現場リーダーの皆さんへ 第二回 「 あなたの中の村上春樹 」(現場リーダー、村上春樹、文化的雪かき)
4月30日
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「 誰がやってもよいのですが、でも誰かがやらなくてはならない仕事 」(現場リーダー、村上春樹、文化的雪かき)
日々の仕事というものは、たいていがワクワクとは無縁の、どちらかというと型にはめられた、おもしろみのなさそうなものが大半で、
それが、とっかえひっかえ自分の前に現れてきては、すき間なく自分の時間を埋めていってしまう、その繰り返しとなりがちです。
ですので、自分にできることと言えば、次から次へと、現れる仕事を効率よくこなす、ということになるわけですが、
日々の繰り返しの中、ちょっとした工夫で、上手くこなせるときと、ちょっとしたきっかけで、思わくと外れてしまうということもあり、
それに一喜一憂しながら、帰宅時のビールを楽しみに、日々を過ごしてしまっているという方も多いのではないかと思います。
気が付くと、いつの間にか、仕事をやり過ごすという癖がついてしまい、
これは、終わりのない雪かきなのでは?あるいは誰かの与えた罰ゲームなのでは?
とおもいはじめることもあるかと思います
< 文化的雪かき >
(現場リーダー、村上春樹、文化的雪かき)
罰ゲームかなにかという、陰謀説はひとまず置いておいて、

雪かき仕事というのは、実は、悪くないたとえなのかもしれません。
村上春樹の初期の作品に、”文化的雪かき”と言う台詞が出てきますが、
かいてもかいても雪は降ってくる、誰がやってもよいのですが、でも誰かがやらなくてはならない仕事
それを、村上春樹は、”単に空白を埋めているだけの単純な仕事、でも僕にはそれが向いている”
と、似たような台詞を主人公に 語らせています
単に空白に文字を埋めていくという作業を、(確か記憶では小さな翻訳会社か広告会社勤務の)主人公が、
仮に日々効率よくタイパ、コスパ重視でこなしていっていたとしたら、
”文化的な雪かき”という、素敵な言葉は現れてこなかったように思います
主人公は、その空白に、どのように文字を埋めていけばよいのかを、
テクニックとして、おそらくかなりエレガントな方法として身に付けていて、