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リバースメンタリングが組織変革を促す ― 活性化された職場への第一歩 (活性化された組織、リバースメンタリング、学び合う組織)

7月7日

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ちょっと休憩 一杯やりながら読んでみては
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## 活性化された組織が重要

企業が変化し続ける市場環境に適応し、競争力を維持していくためには、組織全体の知識と経験を有機的に活用する必要があります。そのための前提条件となるのが、


「活性化された組織」の存在です。

活性化した組織
活発な会話

では、活性化された組織とはどのような状態でしょうか。それは、上下や部門間の壁を越え、忖度なく立場や役割に応じた意見交換が行われる環境が整っていることです。そして、こうした健全な対話が行われることでこそ、真の組織変革が動き出します。                             

しかし、現実にはそれを妨げる阻害要因が数多く存在します。


## 組織活性化を阻害する4つの要因


1. コミュニケーション不足  情報共有が不十分で、部門間や上下関係の意思疎通が滞ることで、誤解や不信感が生じ、協働意識が低下します。特に、「上からの一方的な指示」「部下の理解不足を放置」「意見や質問が歓迎されない雰囲気」が典型的です。


4つの阻害要因
阻害要因

2. サイロ化(縦割り構造)  部門が閉鎖的になることで、他部署との連携が取れず、組織全体の一体感や課題解決力が低下します。「他部門の問題に関わりたくない」「余裕がない」「とやかく言われたくない」といった感情が連帯感を損ないます。


3. 評価制度・報酬体系の不整合  挑戦や努力が正しく評価されない仕組みは、社員のモチベーションを削ぎ、「提案しない・報告しない・見て見ぬふり」の温床になります。これがリスクの兆候を見逃す結果にもつながります。


4. 上層部と現場の意識ギャップ  経営層のビジョンが現場に十分に共有されていない場合、社員は物事を「会社ごと」として捉えられず、「自分ごと」としての主体的な行動も生まれません。その結果、指示待ちの風土が定着してしまいます。


これらの阻害要因を排除し、組織が健全に活性化された状態を実現することこそが、変革の前提条件です。


## 注目される「リバースメンタリング」という選択肢


これらの課題解決に向けて、近年注目を集めているのが「リバースメンタリング」です。

若手社員の知識と価値観は重要
若手社員の知識と価値観

これは従来の上位者から部下へのメンタリングとは異なり、 若手社員がミドル・アッパーマネジメント層に知識や価値観を提供する関係性をつくるもの。組織のボトムアップと信頼の再構築に資する実践的アプローチです。


## リバースメンタリングの目的と効果


1. デジタルリテラシーの向上  若手社員の情報感度やSNS活用力を経営層が学ぶことで、顧客との接点創出やスピーディな市場対応が可能になります。

2. ダイバーシティの推進  ジェンダーや価値観の多様性に若手の視点を通して触れることで、管理職層に新たな気づきを与え、より包括的な組織文化が育まれます。

3. イノベーションの促進  柔軟でユニークな発想力を持つ若手社員との対話から、新たなサービスや改善提案が生まれる土壌が作られます。

              

## 実践には課題も。成功の鍵は「継続・対話・受容力」


リバースメンタリングの導入においては、以下のような課題への配慮が不可欠です:

学び合えばいいのだ
なるほど

- 世代間ギャップ:価値観や働き方の違いにより、誤解や衝突が起こる可能性があります。

- 心理的ハードル:「若手から学ぶ」ことに対するマネジメント側の心の準備がないと対話が噛み合いません。

- 継続性の確保:単発の取り組みでは効果が限定的。制度として組み込む必要があります。

こうした障壁を超えるには、「学び合う文化」を根づかせる経営層の本気度と覚悟がカギとなります。


## 成功事例に学ぶ:企業が得た“変革の果実”


📌 P&Gジャパン:若手社員がSNS戦略を指南。経営層がデジタル施策を取り入れ、

ブランド接点が拡大。

 📌 資生堂:若手社員がジェンダー視点で経営に提言。ダイバーシティ施策が強化され、

3つの事例
事例

女性管理職の登用が進展。

📌住友化学:若手研究者が最新技術をベテランに共有。研究開発の効率とスピードが向上。


これらは、「聞く力」「受け止める力」「実践する勇気」が組織を変える原動力であることを証明しています。

                                

## 最後に:学び合う組織が未来をつくる

シリコンバレーの原点
ガレージ

リバースメンタリングは単なる知識の伝達にとどまらず、組織全体の学習能力(ラーニングアジリティ)を高める構造改革の一環です。 


組織が真に活性化されるには、年齢や階層、既成概念の壁を越える関係性が不可欠であり、その土壌づくりは経営陣の覚悟と支援にかかっています。


VUCAの時代――

だからこそ、「学び合うことで変われる組織」の選択肢として、リバースメンタリングの本格活用を検討してみてはいかがでしょうか。


筆者 屋代喜久

屋代喜久

7月7日

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