
企業や自己成長のキーワード③ 「五感を磨く」 (五感、ノンバーバルコミュニケーション、感度アップ)
6月16日
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注釈 ノンバーバルコミュニケーション GoogleAIによる解釈
ノンバーバルコミュニケーション(非言語コミュニケーション)とは、言葉以外の方法で情報を伝え合うコミュニケーションのことです。具体的には、表情、声のトーン、身振り手振り、視線、姿勢、服装、匂い、さらには相手との距離や接触などが含まれます。ノンバーバルコミュニケーションは、人の五感に訴えかけるコミュニケーションと言えます。
五感を使う重要性

人間には「五感」と言う高機能なセンサーがあります。 視覚、聴覚、触覚、味覚、嗅覚の5種類の感覚を五感と呼んでいます。私が前職で、ある食品メーカーの生 産設備のオペレーションに携わっていた時の話です。
その設備の運転(操作)やメンテナンスを総括的に請け負っていました。設備には容器を洗浄する機器、中味を充てんする機器、商品ラベルを貼り付けたり、個包装をする機器、様々な単体機器が搬送設備(コンベア)で連結されています。当然のことながら設備は多くのセンサー等で自動制御され、その設備管理の担当者とと(オペレーター)は工場の集中制御室で監視業務を行うというのが日常的な作業です。
オペレーターにはベテランもいますし、経験の浅いメンバーもいます。ある時に私はベテラン社員が新人を指導する場面に立ち会ったことがあります。そのベテラン社員の新人に対する最初の教え(言葉)を今でも覚えています。
「設備(機器)を「見る」のでは無く、「観る」んだ」「ただ単に表示された数値をチェックシートに転機し、その数値だけ
で設備の状態を判断するな」「自分の五感をすべて使って設備を観察せよ」そう言いました 。数値を転記するのは「見る」、感覚を研ぎ澄まして「観察」することが大事であると。

自分たちは設備(機器)の不満や悲鳴を聞いてやる立場なんだ」とも言いました。
集中制御室で表示盤を見て設備の稼働状況や全体の稼働状況を確認するだけが仕事では無い。一日に数度は現場を廻り、設備と向き合うこと。五感を駆使して設備まいまい
私がそれを行った大きな目的は「メンバーとのコミュニケーション」です。
五感を使ったコミュニケーション 「ノンバーバルコミュニケーション」
出勤したメンバーは必ず私の前を通らざるを得ません。そこで私が一人一人を「観察」するのです。

私が「おはよう」というと「おはようございます」と言うメンバーもいます、一方で無言で立ち去るメンバーもいます。退勤時も同様で「ご苦労さん」と声掛けをして「失礼します」と答えるメンバー、そのまま立ち去るメンバー、様々でした。
短い瞬間ですがそこで「観察」をするわけです。いつもは明るい返事をしてくれるメンバーが無言だったり、私と目を合わさなかったり。「何かあったかな」という予兆が感覚的(目と耳、視覚と聴覚=話)に解ります。そんな些細な挨拶や会話でも必ず解ります。
その時はリーダーに「〇〇君、今日は何か様子が違ってたぞ」と問いかけると「そうなんです。ちょっと仕事でミスって落ち込んでるようです」との返答が返ってきました。次の日の出勤時その当事者に「おはよう。ドンマイやで」と声掛けすると、破顔になり「ありがとうございます、ミスらないように頑張ります」と返ってきました。互いにいい一日のスタートが切れます。

普段からのコミュニケーションが大事
人間も機械(設備)と同じで、不満や不安をなかなか表に出しません。メンバーは他人に相談できず、辛抱して、悩み、悶々としがちです。それを少しでも和らげる、一緒に悩んであげる、一緒に解決してあげるのが管理者(リーダー)の役割で、
そのベースとなるのが普段からのコミュニケーションであり、そのきっかけがリーダーの感度アップ(感性を磨く)だと私は今でも思っています。
筆者 田甫 能一