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企業や自己成長のキーワード①「 確率と可能性 」(確率、可能性、判断基準)

5月31日

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成長のキーワード:判断基準を確率から可能性へ


ナレッジワークマネジメントの大坪です。足掛け30年、今の企業を創業して丸19年、企業の業務革新や人材育成のご支援をしてきました。その中で感じていることをブログにしてお届したいと思います。


筆者 大坪秀昭
筆者 大坪秀昭

< かつては「失敗の確率が判断基準」 >

( 判断基準、確率 )


 私がサラリーマン時代に、何かをしようとした時に、上司から必ず言われたのが、

「確実にできるのだな」「リスクはないだろうな」「成功のコミットメントを出来るな」

といった、石橋を叩いて渡る(壊す)ような発言でした。

(失敗をしたくない、失敗の責任は取りたくないという、上司の性格でもあったのですが…)


 確かに、日々の業務では、「確実に予定通り業務を遂行できるか」が重要です。

ですから「失敗しない(成功する)確率」が、方向性(やるかやらないか)ややり方(その対策案でよいかどうか)を決める判断の目安になることは自然なことだと思います。


日々の業務の多くは、繰り返しの業務(ルーティンワーク)ですので、この判断基準で仕事をすることが決して間違いではありません。


 しかし、このような業務の遂行を確率で判断して長年やり続けると「成功の確率が低い業務を避ける、もしくはやらない」という行動が無意識に起こるようになります。

ましてや、上手く行かなかった時に責任を負わされるという経験をすると、少しでもリスクのある業務はやりたくないという意識が強く前面に出てくるようになります。。


 この守りの姿勢(意識)が、知らず知らずの内に日本企業の現場に蔓延してしまったことによって、30年続いた景気低迷を引き起こしてきたと私は思っています。


人やモノの日本品質は、この守りの姿勢があるからこそ確保できてきたと思われている方(意識、無意識問わず)もおられますが、それは一面でしかないと思います。


< 変えるべき判断基準とは > (判断基準、可能性)


非力だが操作性抜群のヨタハチ
トヨタスポーツ800

車でいうと、守りの姿勢はブレーキであり、アクセルを踏まなければ動かない(問題は起こらない)。前に進むためにアクセルを踏む必要がありますが、踏んだだけでは、どこに行くかわからない。そのためハンドル操作をすることが必要になりますし、速度に応じてギアを切り替える必要もある。


今の日本企業に求められている、新しいビジネスの柱や、高い利益を生み出すビジネスを生み出すという観点からみると(ビジネス上だけでなく自己成長という観点からも)、失敗の確率で判断するのではなく「成功の可能性で判断」をして、アクセルを踏みこむことが重要なことだと思います。


 そして、アクセルを踏むのは、昔から「若者、馬鹿者、よそ者」だと言われてます。

その上で、ブレーキ役をベテラン職、ハンドル操作役を管理職、ギアの切り替え役を経営職で分担して、全員が自分の役割をしっかりと果たしていく組織に進化させるべきだと思います。。


ちなみに、私が知っている40年以上前の日本企業では、ブレーキ、アクセル、ハンドル、ギアチェンジの役割を、役職別に分けて全員で責任を持ってしていたように思います。


しかし「言うが易し行うは難し」です。どうすれば、そのような役割分担ができる組織やチームに進化できるのでしょうか。


< どうすれば進化できるのか >


 難しいのはアクセル役とハンドル操作役です。つまり若手と管理職のスキルを向上させないと実現しないと思います。


 しかし、座学でいくら学んでも実践で使って磨き上げないとこのようなスキルは身に付きません。また、アクセルやハンドル操作がほとんど必要のない「日々の業務(ルーティンワーク)」でいくら頑張ってもスキルは伸びません。 


 業務を大まかに分析すると、

人に代わって金毘羅参り 発想が素晴らしい
金毘羅さん 代参犬

① 従来と同じことを繰り返す「ルーティンワーク」

② 従来通りでは上手く行かず、応用を効かせないと遂行できない「応用ワーク」

③ 未経験の領域の業務、創意工夫しなければ前に進めない「チャレンジワーク」

に分けられると言われています。


 そして、企業や個人の成長にとって重要なスキル(「アクセルワークとハンドル操作の息を合わせて」、「時にはブレーキをかけ」、「人モノかねの投入というギアチェンジ」も行うスキル)が伸びるのは、3つ目のチャレンジワークの時間だと思います。


 この3つの業務の理想配分は、「①:②:③ ➡ 5:3:2」だと言われていますが、前に進めていない多くの日本企業での実態は、「8:1.9:0.1」だと思います。


 最近よく言われている「若手が管理職になりたがらない」の根底に、このことがあると私は思っています。


 ルーティンワークと応用ワークでいくら頑張っても、必要なスキルはブレーキスキルが中心で、これからの時代に必要なスキルを伸ばすことが出来ない。そして、失敗した際の責任は取らされるということが、見合った給与をもらえない以上に、若手が管理職に魅力を感じない理由ではないでしょうか。


 ただ、若手や中堅に、チャレンジワークに取り組める機会を提供しただけでは、うまく行きません。


① まず、若手中堅がチャレンジワークに取り組める時間を作ること 

(今の比率0.1から、せめて1以上へ)

② 管理職がブレーキを踏むのではなく、行く先を上手くコントロールするハンドル役を

しっかりと果たすこと

(これはベテランの役、多くの管理職の方は任せることが怖くて直ぐにブレーキを

踏んでいるように思います)


が出来るかが重要なポイントになります。


 失敗の確率で判断するルーティンワークの業務比率を改善やDX化で減らし、若手中堅と管理職が一体となって、成功の可能性で判断するチャレンジワークの比率を増やすことが、次の日本企業を創ると思います。


以上


筆者 大坪秀昭

5月31日

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